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- » 2023 . 07
Category : 中国
中国が太平洋に出ることは軍事的挑発なのだろうか。7月25日に中国の航空機と、水上艦が、公海を選んで琉球列島線を通りすぎたことを指して「中国の軍事的挑発がエスカレートしている」と頭括するのは、言いがかりに近い。
「中国軍に『制御不能』の懸念 8月15日控え突発的衝突の可能性も」は、中国が太平洋に出たことを「軍事的挑発」としている。
だが、いずれも日本を挑発するものとするとは言えない。航空機は公海を通過して太平洋に出入した。艦隊も、国際海峡である宗谷海峡をから太平洋に出て、公海を通過して東シナ海に入っただけに過ぎない。国際法的には何の問題もないし、日本領空・領海にギリギリまで近づいたわけではない。洋上で、海自・海保・日本出入する商船につきまとったわけではない。果たして、何が挑発なのだろうか。
もちろん、日本と中国は海洋で海軍力を競いあうゲームをしている。日本にとって、中国海軍は仮想敵である。だからといって、中国憎しで、中国海軍が太平洋に出ただけで軍事的挑発と見るのは、どうかしている。
だいたい、この程度で「軍事的挑発」とする論法では、日本の方が軍事的挑発をしていることになってしまう。
なんせ、海自の方が行動は活発で、大陸側にも結構なところまで進んで行動している。日本は毎日、中国の東シナ海ガス田を監視飛行している。日中中間線の向こうにP-3Cを飛ばしてガス田周辺を偵察している。東シナ海で飛ぶP-3Cは、ガス田を偵察する1機どころではない。また結構なところまで飛んでいる。水上艦も、おそらく潜水艦も同じような行動をしている。もちろん、全て合法的行為である。
また、中国艦隊が太平洋に出るときには、日本はどこまで行っても追いかける。南西諸島を通過するときには、水上艦による監視を受ける。中国艦隊が沖ノ鳥島あたりまで出張っても、P-3Cが追いかけ、日本が持つ質的優位を見せつけている。中国海軍は、どうやっても海自の追尾を振りきれないと慨嘆させることに成功している。もちろん、これも同じように、国際法上、何の問題もない。
今回の中国海軍の行動程度は非難するには及ばない。全て合法であり、挑発的な行為もない。それを中国がやったことだからと、無理やり非難するほうが挑発的だろう。
中国が憎いからと言って、全てを挑発とするのは無知故である。防空識別圏に入ったことや、公海での行動、領海での無害通航に文句を言うのは、海洋国のマスコミの言うことではない。防衛や安全保障についての報道に詳しいと自称していながら、海洋法に全く無知であることを晒すものだ。海洋やその上空にある領域については、中国のそれと同じように、珍奇で特異な解釈である。これでは、強引な中国海洋法の解釈に文句を言える立場ではない。
「中国軍に『制御不能』の懸念 8月15日控え突発的衝突の可能性も」『zakzak』(産経新聞,2013.7.26)http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130726/frn1307261810004-n1.htm
「中国軍に『制御不能』の懸念 8月15日控え突発的衝突の可能性も」は、中国が太平洋に出たことを「軍事的挑発」としている。
中国軍機が南西諸島を通過して太平洋まで初飛行したうえ、中国海軍のミサイル駆逐艦など5隻が、7・21参院選を挟むように日本列島を1周したのだ。中国側の目的として
中国軍に「制御不能」の懸念 8月15日控え突発的衝突の可能性も」http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130726/frn1307261810004-n1.htm
「反日世論」に火をつけて、国民の不満をそらすつもりなのか。それとも、中国人民解放軍の一部が暴走しているのかとも述べている。
中国軍に「制御不能」の懸念 8月15日控え突発的衝突の可能性も」http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130726/frn1307261810004-n1.htm
だが、いずれも日本を挑発するものとするとは言えない。航空機は公海を通過して太平洋に出入した。艦隊も、国際海峡である宗谷海峡をから太平洋に出て、公海を通過して東シナ海に入っただけに過ぎない。国際法的には何の問題もないし、日本領空・領海にギリギリまで近づいたわけではない。洋上で、海自・海保・日本出入する商船につきまとったわけではない。果たして、何が挑発なのだろうか。
もちろん、日本と中国は海洋で海軍力を競いあうゲームをしている。日本にとって、中国海軍は仮想敵である。だからといって、中国憎しで、中国海軍が太平洋に出ただけで軍事的挑発と見るのは、どうかしている。
だいたい、この程度で「軍事的挑発」とする論法では、日本の方が軍事的挑発をしていることになってしまう。
なんせ、海自の方が行動は活発で、大陸側にも結構なところまで進んで行動している。日本は毎日、中国の東シナ海ガス田を監視飛行している。日中中間線の向こうにP-3Cを飛ばしてガス田周辺を偵察している。東シナ海で飛ぶP-3Cは、ガス田を偵察する1機どころではない。また結構なところまで飛んでいる。水上艦も、おそらく潜水艦も同じような行動をしている。もちろん、全て合法的行為である。
また、中国艦隊が太平洋に出るときには、日本はどこまで行っても追いかける。南西諸島を通過するときには、水上艦による監視を受ける。中国艦隊が沖ノ鳥島あたりまで出張っても、P-3Cが追いかけ、日本が持つ質的優位を見せつけている。中国海軍は、どうやっても海自の追尾を振りきれないと慨嘆させることに成功している。もちろん、これも同じように、国際法上、何の問題もない。
今回の中国海軍の行動程度は非難するには及ばない。全て合法であり、挑発的な行為もない。それを中国がやったことだからと、無理やり非難するほうが挑発的だろう。
中国が憎いからと言って、全てを挑発とするのは無知故である。防空識別圏に入ったことや、公海での行動、領海での無害通航に文句を言うのは、海洋国のマスコミの言うことではない。防衛や安全保障についての報道に詳しいと自称していながら、海洋法に全く無知であることを晒すものだ。海洋やその上空にある領域については、中国のそれと同じように、珍奇で特異な解釈である。これでは、強引な中国海洋法の解釈に文句を言える立場ではない。
「中国軍に『制御不能』の懸念 8月15日控え突発的衝突の可能性も」『zakzak』(産経新聞,2013.7.26)http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130726/frn1307261810004-n1.htm
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Comment
第一列島線とは?
14:12
おひさま
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第一列島線に中国側の根拠地がないんだから、防衛ラインになりようがないのです。
これは、日米台側の中国包囲網のラインであって、主に日本のシーレーン防衛で必要になる概念と考えてます。
まあ、政権維持のための中国叩きなんでしょうが、最大の貿易相手国をどう考えているのか。
気に入らない相手国を夷狄とみなす、自国の都合とルールで突っ走る「和製中華思想」が蔓延してるのかなと感じます。
Re: 第一列島線とは?
00:21
文谷数重
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ただ、それで経済的な利益まで捨てるのはマヌケだなと。
さらに、東南アジアからインド洋まで出張して、中国封じ込めみたいな発言してます。本人は盟主のつもりでしょうけど、他の国からすれば中国への噛ませ犬扱いではないでしょうかね。
日本だけが中国との消耗戦に当たる。中国が困ってラッキー、東南アジアのオレの国は被害なくてラッキー、日本はお気の毒で終わりという。
No title
11:20
陣羽笛
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日米同盟的にも
15:45
おひさま
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領土問題でリップサービスはするが、実際には動く気なし。沖縄に海兵隊置いて抑止力だと言い張れば良いので、要は現状維持で利権確保。
それで台頭している中国を叩いてくれるなら、願ったり叶ったりです。
それに価値観外交という概念も考えものかと。
9.11からアフガン、イラク、アラブの春と、アメリカの失敗が12年続いたのですから。同じ轍を踏まないように注意せねばいけないところですが、そういう気配もなし。
だいたい、そこまで共通の価値観というなら、サウジやUAEから原油買うなという話になりますよ。
風呂敷広げたのはいいけど、入れるものがない、包み方も知らないというのではお粗末です。