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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2013.08
24
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12:00
Category : ミリタリー
 重量1トンもないアルミ屑12機分が、2000万円で売れることが不思議ではないのか?

 陸自が使っていた中古OH-6が輸出された。読売オンライン「陸自ヘリ12機分の部品、解体せず海外に売却」※ によると、廃用機がオーストラリアやニュージーランドに輸出されたという。

 自衛隊は機体を早期に退役させる。もともと大して傷んでいない上、耐用年数も昔の機体を参考に短めめにされている。使用目的次第だが、海外に売れば売れるものだろう。

 しかし、解体業者が2000万円で購入すると言い出したことに、陸自は不審に思わなかったのだろうか。OH-6は小型機である。それが金屑処分を強制する売り払いで計12機、〆て2000万円で売れることは怪訝である。取れる金屑は100万いくかどうかである。

 12機のOH-6を金屑にしても、金屑価格は100万円いくかどうかだ。OH-6は空虚重量で900kg位であり、エンジンは取っ払っている(はず)。廃用機から取れる金属は500kg程度にすぎない。基本はアルミであり、添加物があるので1kg150円がいいところだから、金屑価格は1機7.5万円、12機分で90万円程度に過ぎない。業者側が行う引取や解体コストもある。むしろ金をもらわないと引き合うものではない。

 なんにせよ、この値段で売却できたこと自体が、奇跡的である。昔、横監で国有財産についての仕事をしていたことがあった。当時、鉄屑価格が低迷していた時期であったこともあり、輸送艦1隻が10万で売れれば御の字だった。回復してトン1万円を越えても、回航コストや解体コストがあるので、結局は100万200万の世界だった。今、トン2万円を超えているが、やはり1000万円いくかどうかだろう。

 また、海自では、解体は必ずチェックしていた。シビルの管財係長が出張して、本当に解体しているかどうかを確認している。話を聞いても、見て見ぬふりをするのも、色を塗り替えた内火艇や、艦内自販機の自家利用程度である。

 注視すべきは、契約についてのチェックが甘いことである。報道では、海外に輸出されたことに焦点が置かれている。しかし、そんな不自然な契約を、業務系統や監査ほかで見抜けなかった点も、重篤な問題である。

 担当者は、うすうす気づいていたのだろう。しかし、目前の業務処理に目が眩み、やるべきことをしなかったということだ。だが、機体再利用や輸出は問題になる。業務をしていれば、いろいろ手を抜いたり見逃したり、あるいは共存共栄の関係になることもあるが、警戒しなければならない一線はある。その一線を超えた点は、責められるべきだろう。



※ 「陸自ヘリ12機分の部品、解体せず海外に売却」『Yomiuri Online』(読売新聞,2013.8.23)http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130823-OYT1T00922.htm?from=blist
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