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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.08
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Category : ミリタリー
 10式戦車がなくて困ることがあるか?

 90式戦車があれば、別に10式は必要ない。今、日本には10式と同世代に属する90式が350両もある。性能で見ても、90式は10式とほぼ同等の攻撃力と機動力を持ち、防御力ではむしろやや勝る性能を持つ。防御力についての公式発表ではあくまで90式同等といっており、90式以上と説明していない。外征やそれに似た国際貢献があっても、90式を持っていけば問題はない。

 別に90式がなくとも問題もない。本土防衛の用は74式戦車で特に困ることもない。防御力や機動力では力不足になりつつあるが、攻撃力は十分にある。74式が持つ105mm砲とAPFSDSは、大抵の戦車に有効である。特に仮想敵とされていた東側系戦車を十分に撃破できるものと考えられていた。

 海空戦で勝っている場合には、戦車が74式でも戦争に負けることはない。日本における本土防衛は海空戦力がメインであり、陸上戦力はそこをすり抜けた残敵を掃討すること、あるいは配備の空白を作らないことで事は足りる。さらに、その陸上戦力の一要素、一部分である戦車が74式であっても、極端な困難はない。

 逆に海空戦に敗北した場合には、どんな戦車を持っていても敗北は不可避である。74式で勝てないほど、強力かつ多数の敵が揚がってくる場合には、10式でもダメである。10式がひとり気を吐いたところで、どうなるものでもない。ドイツ敗北の過程で「タイガー戦車が活躍しました」と変わるものではない。

 そもそも海空で敗北すれば、日本戦争経済も成り立たなくなる。いずれは燃料も弾薬もなくなり、経済は衰退し、食料生産やそれを運ぶ物流も逼迫する。いくつかの戦闘で勝ったところで、戦局はどうなるものでもない。

 そのときに10式があったとして、何ができるのだろうか? 上空を制圧されれば、戦車は自由に行動できない。目標に向かって前進するどころか、後方での終結や補給にも窮する。高度に分散し、偽装し或いは掩体にこもれば被害は局限できるかもしれないが、行動できずに隠れた戦車には何の価値もない遊兵に過ぎない。夜間や悪天候をついてコソコソ行動するのが関の山である。たいした活躍は期待できないし、活躍しても海空戦の敗北を取り返すこともできない。

 そもそも、今の日本本土に攻め込める国はない。極東ロシアは陸海空とも敵ではない。中国も日本本土に攻め込む力はない。政治的には四面皆敵であり、南沙、尖閣やインド・西方国境や国内辺境で問題を抱えている。最優先で海軍を強化しているものの、対米戦と南沙防衛、台湾回収に特化しており、日本に攻め込める戦力ではない。そもそも、日本の陸海空自衛隊はあまりにも強力であり、その上で日米安保がある。中国に攻め込む力はない。

 極端な話、戦車はシャーマンでもどうにかなる。実際のドンパチを考慮しても、シャーマンの75mm砲でも軽戦車以下は撃破できるし、人員やソフトスキンに対しては充分に強力である。対ゲリコマや治安維持ほかでの使用では、可能行動で10式と変わるところはない。部内での教育ほかでも、とりあえず戦車であるので、機甲科の教育にも、そのほか職域に対する戦車というものは何かという体験学習でも充分である。

 実際には、日本には90式と74式がある。90式は世界最新世代の戦車であり、74式も充分に実用に足る戦車である。日本はそれぞれを350両づつ、計700両を保有している。これは、フランスの戦車保有量(ルクレール×200、AMX-30×200)の倍に近い。

 日本に於ける戦車の必要性と、現在保有している90式、74式戦車とその数を勘案すれば、10式を整備する必要はない。今日の10式整備は、過剰品質であり、無駄金を捨てていることとなんらの変わりもない。

 10式が高性能であることは否定しないが、それは必要性には繋がらない。10式戦車への盲愛あるものは、10式の世界最新という文言に浮かれ、その高性能に目が眩んでも、10式が必要ということにはならない。
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Comment

非公開コメント

陸自のコンプレックスですよ

前に書かれた「前者・後者のゲーム」というやつです。

冷戦期、海自・空自は「後者のゲーム」をちゃんとやってきたわけです。ソ連艦艇追っかけ回したり、スクランブルで鬼ごっこしたりと。

その間、くすぶってたのが陸自。「後者のゲーム」に自分は混ぜてもらえない。結果、考え方は「前者のゲーム」またはゲームを逸脱した本土決戦志向に偏っていく。

不謹慎を承知で言えば、東日本大震災は彼らにとっての神風だったんです。ようやく陽の目をみたと。
そのプロパガンダの流れで、象徴としての10式の存在がある。天皇みたいなもんだから無理を通しますよ。

ただねぇ、こういう人達が政治に口出したらダメですな。

No title

何回も同じ内容を書いて楽しいの?
他にネタはないの?
自分の得意分野だけ。意味わかる?
あなたは何でも知っているのですね?

結局、日本の防衛政策の問題点の多くが陸自が抱え、正に病理としか言い様がない

そして、その象徴が10式戦車なんですよ。

まあこれは当の陸自の人も認識しているようですが…

No title

管理人さんは信念もってるからねえ
そういう意見もある
陸戦の基本ユニットである歩兵、砲兵、戦車兵は
兵力更新をサボると後々苦労するってのは太平洋戦争で懲りた

No title

>陸戦の基本ユニットである歩兵、砲兵、戦車兵は
>兵力更新をサボると後々苦労するってのは太平洋戦争で懲りた
太平洋戦争なら陸戦兵器の更新よりも
海空戦の敗北による補給線の損失や
航空支援等を欠いた事の方が重要でしょう
極端な話硫黄島にタイガーが何輌あっても陥落は避けられないのですからソ連の満州侵攻なら新式戦車などが欲しくなるかもしれませんが
数が揃わなければ意味がないし
航空優勢を失って敗走していったドイツ軍と同じ道を辿るだけです