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- » 2023 . 05
Category : ミリタリー
横須賀不祥事で副長官が叱りに来たときに、号令官と司会めいたことをやらされたことがある。総監部には、甲板士官に相当する若手A幹部はあまりいない。そこでたまたま居た己がやらされた。
己はお面が宜しくなく、体型もアレなので、めでたい席の号令官や儀仗隊はやったことがない。しかし、声がデカイので、不祥事の時や顔の見えない儀仗隊指揮官はよくやっていた。飛行場地区でやると、己の号令は1km程度は届くらしい。その伝で、総監部でも不祥事や声だけ聞こえれば充分の時には、号令官や儀仗隊はやった。
そこで、浜田靖一副長官、ハマコーJrが横須賀に喝いれに来るときには、総監部総務課長に頼まれて、裏方の号令官ほかをやらされた。たしか、通信隊おクスリ事件や、うみぎり放火事件が不祥事だったと憶えている。総監部にある体育館に、総監部やその隷下部隊だけでなく、自衛艦隊や地区所在機関、在泊艦艇乗員が集められる。ヘリで副長官が来る30分(くらい前だったか)には、とりあえず己が号令掛けて整列完了。
大きな地図で見る
しかし、それから30分が長い。海自なので、並べるには2分は掛からない。総務課長から「ラクに休ませ」を指示されて令する。とはいえ、ラクに休めは余りラクでもない。だから課長は「相当、時間があるのでヘダラに休んでいいよ」と直接令する。適当に私語をしても構わない雰囲気なので、小さい声で駄話が始まる。
それでも時間は更に余る。なんといっても変化がないことが耐え難いもの。ヘリが防衛庁を出たとか、今総監公室に入ったとか、そういう状況があれば伝えられればいいのだけれども、情報から放置されると参集した連中も飽きてくる。
そこで、マイクテストをやれと言われる。もちろん、マイクテストなんか集まる前にとっくに終わっている。なにもやることがないから、やっておけというもの。その際には、所属部の部長や課長が、なんか適当なギャグを入れろという顔をしている。少なくとも己にはそう見えた。
しょうがないから「テストのマイクを行う」「ただいまテストのマイク中、ただいまテストのマイク中」「テストのマイク終わり」とやった。気づく奴は気づいて笑ったが、気づかないのも半分くらいいた。二佐以上の高級幹部には「不祥事で集まっているのに余計な事言いやがって」と不機嫌な顔をしているのもいたよ。
ただ、しばらく経って「副長官(が総監部庁舎から)でられました」の電話が入る。そうなると、私語は一斉に止まる。そこは海自で勝手に整列しなおし始める。
その時には、フネあたりから出てきた正規の号令官に交代したか、そのまま己がやったか覚えていないが、確認のために「きをつけ」と「右にならえ」を号令して、「直れ」と「安め」を令しただろう。ちなみに己がやったとすれば「つけぃ」と「ぎえ、らえ」「ぉれ」「すめ」としか発音しない。
あとは「副長官はいります」で「つけ」と「頭の敬礼」を令すれば仕事は半分終わり。話を始める前に副長官「休ませて下さい」で総務課長「休ませ」で「整列休め」を令する。その後に、政治家は「もっとラクに」というのが通例で、総務課長「ラクに休ませ」を令し「休め」を掛ける。何があっても「ラクに休め」は掛けない。
政治家だけあって、ハマコーJrの話は、結構飽きさせないものだった。叱責は最初の2-3分で、あとは「ボクは盲導犬を寄付しているんですよ」みたいな支持者向け風の話だった。親爺がアレだと、息子は清く生きようとするのだろうかね。あまりキレイなお金でもないが、そのお金はきっちりキレイに使っている印象だったよ。
あとは「以上です」をもらって、間髪入れずに「気をつけ」と、一呼吸置いて「頭の敬礼」。余計な話だが、海自の頭の敬礼は、下士官兵しかやらない。准尉以上はそれに合わせて挙手の敬礼をする。あとはJrが出て行くのを待つだけ。出て行ったら「別れ」を令する。あの体育館は出入り口が狭いので「詰まるから海曹士はしばらく待って」位は言うはず。この時には、人によっては命令口調であり、あるいは懇願口調、これは階級高低はあんまり関係しない。一佐クラスでもパッと管制して、「海曹士はチョットまってね」という人もいる。
それで総監部庁舎に戻るのだが、ハマコーJrの話が良かったせいか、己の「テストのマイク中」は別段怒られなかった。いつもは小煩い防衛部N-4x(数字が入る)、同職域のの三佐も何も言わない。まあ、やったあとでも部長はニヨニヨしていたから何ということもないのだけれどもね。
己はお面が宜しくなく、体型もアレなので、めでたい席の号令官や儀仗隊はやったことがない。しかし、声がデカイので、不祥事の時や顔の見えない儀仗隊指揮官はよくやっていた。飛行場地区でやると、己の号令は1km程度は届くらしい。その伝で、総監部でも不祥事や声だけ聞こえれば充分の時には、号令官や儀仗隊はやった。
そこで、浜田靖一副長官、ハマコーJrが横須賀に喝いれに来るときには、総監部総務課長に頼まれて、裏方の号令官ほかをやらされた。たしか、通信隊おクスリ事件や、うみぎり放火事件が不祥事だったと憶えている。総監部にある体育館に、総監部やその隷下部隊だけでなく、自衛艦隊や地区所在機関、在泊艦艇乗員が集められる。ヘリで副長官が来る30分(くらい前だったか)には、とりあえず己が号令掛けて整列完了。
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しかし、それから30分が長い。海自なので、並べるには2分は掛からない。総務課長から「ラクに休ませ」を指示されて令する。とはいえ、ラクに休めは余りラクでもない。だから課長は「相当、時間があるのでヘダラに休んでいいよ」と直接令する。適当に私語をしても構わない雰囲気なので、小さい声で駄話が始まる。
それでも時間は更に余る。なんといっても変化がないことが耐え難いもの。ヘリが防衛庁を出たとか、今総監公室に入ったとか、そういう状況があれば伝えられればいいのだけれども、情報から放置されると参集した連中も飽きてくる。
そこで、マイクテストをやれと言われる。もちろん、マイクテストなんか集まる前にとっくに終わっている。なにもやることがないから、やっておけというもの。その際には、所属部の部長や課長が、なんか適当なギャグを入れろという顔をしている。少なくとも己にはそう見えた。
しょうがないから「テストのマイクを行う」「ただいまテストのマイク中、ただいまテストのマイク中」「テストのマイク終わり」とやった。気づく奴は気づいて笑ったが、気づかないのも半分くらいいた。二佐以上の高級幹部には「不祥事で集まっているのに余計な事言いやがって」と不機嫌な顔をしているのもいたよ。
ただ、しばらく経って「副長官(が総監部庁舎から)でられました」の電話が入る。そうなると、私語は一斉に止まる。そこは海自で勝手に整列しなおし始める。
その時には、フネあたりから出てきた正規の号令官に交代したか、そのまま己がやったか覚えていないが、確認のために「きをつけ」と「右にならえ」を号令して、「直れ」と「安め」を令しただろう。ちなみに己がやったとすれば「つけぃ」と「ぎえ、らえ」「ぉれ」「すめ」としか発音しない。
あとは「副長官はいります」で「つけ」と「頭の敬礼」を令すれば仕事は半分終わり。話を始める前に副長官「休ませて下さい」で総務課長「休ませ」で「整列休め」を令する。その後に、政治家は「もっとラクに」というのが通例で、総務課長「ラクに休ませ」を令し「休め」を掛ける。何があっても「ラクに休め」は掛けない。
政治家だけあって、ハマコーJrの話は、結構飽きさせないものだった。叱責は最初の2-3分で、あとは「ボクは盲導犬を寄付しているんですよ」みたいな支持者向け風の話だった。親爺がアレだと、息子は清く生きようとするのだろうかね。あまりキレイなお金でもないが、そのお金はきっちりキレイに使っている印象だったよ。
あとは「以上です」をもらって、間髪入れずに「気をつけ」と、一呼吸置いて「頭の敬礼」。余計な話だが、海自の頭の敬礼は、下士官兵しかやらない。准尉以上はそれに合わせて挙手の敬礼をする。あとはJrが出て行くのを待つだけ。出て行ったら「別れ」を令する。あの体育館は出入り口が狭いので「詰まるから海曹士はしばらく待って」位は言うはず。この時には、人によっては命令口調であり、あるいは懇願口調、これは階級高低はあんまり関係しない。一佐クラスでもパッと管制して、「海曹士はチョットまってね」という人もいる。
それで総監部庁舎に戻るのだが、ハマコーJrの話が良かったせいか、己の「テストのマイク中」は別段怒られなかった。いつもは小煩い防衛部N-4x(数字が入る)、同職域のの三佐も何も言わない。まあ、やったあとでも部長はニヨニヨしていたから何ということもないのだけれどもね。
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