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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2013.09
06
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Category : ナショナリズム
 中国公船について「不法に領海侵犯」していると怒ってどうなるというのだろうか?

 石垣市議会の仲間さんが、中国の「違法行為」を怒っている。※ 
[尖閣諸島の]現場では海保の巡視船が「海警」に対して領海内から退去するよう再三にわたって警告しているにも関わらず、逆に「海警」は、我々に対して「ここは中国領であり直ちに退去せよ」とスピーカーを使って警告するなど、目に余る違法行為を繰り返した。
仲間均「尖閣諸島周辺海域の実態」http://nakamahitoshi.ti-da.net/e5166308.html
しかし、中国に違法行為をしている認識はあるのだろうか。

 別に、日中が互いに退去しろと言っていることに不思議はない。中国は、尖閣諸島は自国領だと主張している。中国公船は、その主張にそって尖閣諸島まで出張っている。日本巡視船に退去しろというのは当然である。また、その中国公船に対して、巡視船はここは日本領域であり、中国公船に退去するよう要求するのも当然である。ここまでは理解できる。

 しかし、その流れで、中国公船に「目に余る違法行為を繰り返した」と怒ってどうなるというのだろうか?

 中国公船としては、違法行為をしているわけではない。日本人の認識はともかく。中国人からすれば、中国領に中国公船が入ることは何ら違法性はない。むしろ違法行為をしているのは日本側となる。

 日中主張は、一種、正対正の関係にある。互いに相手が不正であると詰っても仕方もない。詰られても、自分が正と考えているのだから罪悪感はまったくない。

 言い方を変えれば、中国は、釣魚台で日本領海に侵入できない。日本が北方領土や竹島でロシアや韓国(あるいは北朝鮮の)領海に侵入できないことと同じである。もし、日本が強大な海軍力を使い、北方領土や竹島まで1マイルに近づいたとしても、そこは日本領海であってロシアや韓国の領海ではない。同じように、中国が釣魚台から12マイル以内に入っても、そこは中国人にとっての中国領海であって、日本領海ではない。

 中国人に対して、尖閣諸島の日本領海云々を言っても、中国に「目に余る違法行為」云々を言っても意味のない話である。中国は違法行為を目的に尖閣諸島に近づいているわけではないし、違法行為という認識もない。中国人の島である釣魚台と、その領海にアクセスするために近づいている。違法行為であると怒ってどうなるものでもない。

 結局、この「違法行為」云々で怒るフリをするのも、日本人にしか通用しない、身内向けの発言である。そんなことを日本人向けに話してどうなるものでもない。中国人に話しても相手にされない。

 それよりも、仲間さんの迷惑行為の方が、日中双方にとって有害である。ややこしくなっている尖閣周辺で、英雄気取りで日中衝突の火種になりかねない行為をしている方が、日中双方にとっての迷惑行為である。
我々は尖閣諸島の魚釣島周辺海域で2日間にわたって漁をするためにアンカーを下ろしてアカマチなどを釣ろうとしたが、度々「海警」に邪魔をされ、一時は拿捕するかのような素振りを見せて威嚇したが、強硬に出てこないことが判明した。
仲間均「尖閣諸島周辺海域の実態」http://nakamahitoshi.ti-da.net/e5166308.html
自己の政治的主張で事実上の係争地域に入って、中国公船を挑発し、海保の負担を増やしたようにしか読めない。しかも、日本側の実績積増になるような効果もない。得られた効果は、仲間さんの政治的宣伝に過ぎない。

 今、尖閣諸島では、日中が平和的に睨み合っている。その状況を、悪化させるような迷惑行為はやめるべきである。



※ 仲間均「尖閣諸島周辺海域の実態」『尖閣諸島の歴史と現状』(2013.8.9)http://nakamahitoshi.ti-da.net/e5166308.html

※※ 別の記事で気になるのは用語の使い分けです。中国公船が台風避泊すると「『海警』逃げる」で、自分達が避泊すると「台風接近でやむを得なく一泊で帰島」となっているのは、興味ふかいものです。自覚があるのかないのかはともかくですけどね。
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毎度のことですが

国家間の問題は、政府同士で解決するというのが古典的な外交観念でしたが、いろんなのが出てくる世の中になりましたな。

文谷さんはおそらく上記のような考え方だと思われます。
しかし、ネトウヨ・または「保守」を標榜する方々もこのような観念を共有するのかは、ちょっとわからなくなってきました。国家観・世界観の問題ですけどね。

ひょっとすると、過去も含めて政府を信頼する気などさらさらなく、自分たちのアクションを通じてのみ政治目標が実現されるという思想なんじゃないですかね?
形式的にはナショナリズム、実質的にはテロリズム的なアナーキズム。言論が内向きなのも政府批判なんだから、自ずとそうなるでしょう。

どういう思想を持ってもその方の勝手ですが、たとえ過去の遺物だとしても、簡単に外交チャンネルを切り捨ててよいものではないでしょう。

右も左も、実務を知らないぶっ飛んだ方は結構いますね。