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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2013.09
24
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Category : 有職故実
 歴史的に見れば、尖閣付近はむしろ「みんなの海」であって、日本の海ではない。

 尖閣周辺について「昔から日本の海」というのは、誤りである。産経新聞「『本当に日本の海なのか』 周辺海域、台湾漁船や中国公船入り乱れ」※で、漁協の組合長さんが「『歴史的に見ても明らかに日本の海なのに迷惑だ』」と述べている。だが、尖閣周辺の海は歴史的にみればみんなの海、公海であった。

 尖閣周辺の海を日本が囲い込んだのは、ここ40年の話に過ぎない。国際海洋秩序として排他的経済水域(EEZ)が確立したあとの事である。それ以前は公海で、日中台が自由に操業していた。70年代初頭までは、尖閣諸島から3マイル(当時は領海3マイル)がどこの国に属するかはともかく、それ以遠については公海である。どの国の漁民も開放されていた。

 その上、尖閣はどこのものかは確定していない。日本人は日本のものであると考えているが、中国も台湾もそれを認めていない。この状況で、日本側主張の中間線を杓子定規に適用して、中台の漁船を機械的に取り締まると厄介な話になる。まずは李承晩ラインなみの、理不尽な話になってしまう。

 だから、尖閣周辺の海面に中国や台湾の入会を認めるのは、妥当な話である。かつて、中国や台湾の漁民は、琉球の漁民と同様に自由に入り込み、漁労をしていた実績がある。200マイルや中間線で一方的に締め出すのは、穏やかな話ではない。

 中台漁船のアクセスを認めたことは正しい判断である。尖閣周辺において、日本は島から12マイル以内はともかく、その外で中台操業を認めている。中国とは、互いの漁船は互いの政府が取り締まる形で、入会を認めている。台湾についても同じように一部に特別協力水域を認めている。かつて中台漁民が漁労していたという歴史的経緯からすれば、日本側水面での操業を許可する余地はある。

 その保証されたアクセスについて、許せないと主張するのも狭隘な話だ。同記事では
このため、尖閣周辺では中国公船や台湾漁船ばかりが目立つようになった。八重山漁業協同組合の上原亀一組合長は「歴史的に見ても明らかに日本の海なのに迷惑だ」。石垣の観光漁船船長、比嘉康雅さん(56)も「自分たちの海が脅かされている。ここは日本。政府は毅然(きぜん)とした対応で、尖閣を守ってほしい」と話している。
と紹介している。だが、「『自分たちの海が脅かされている。』」というのは、狭隘に過ぎる。まず、同じ島の人間が、昔はあの海は入会だと認めていたのに、今は神聖なEEZであると許せないとまで言い出すのは、不思議な話である。その上で、中台漁船は日本も認めた権利を行使しているにすぎない。それを排除しろというのは、歴史的にみて明らかに妥当ではないだろう。



※ 「『本当に日本の海なのか』 周辺海域、台湾漁船や中国公船入り乱れ」『産経新聞』(産経新聞,2013.9.11)http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130911/crm13091111070000-n2.htm
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