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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2013.10
07
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12:00
Category : ミリタリー
 香港誌『鏡報』に高新7号が記事にされている。要は、米国のEC-130のお仲間らしい。梁天仞さんによると「運-8に中波からテレビ放送までの器材を積んで、空中から宣伝放送をするための器材である」とのこと。

 だが、米国と同じように心理戦機を使えるかというと、怪しい部分がある。心理戦機は、それで勝利するための機体ではない。戦闘で勝てば有効利用できるかもしれないが、心理戦機だけでは戦闘に勝つことは難しい。そもそも、心理戦機を使うためには、ベースとなる心理戦のノウハウが必要である。中国は国内向け心理戦のノウハウはあるかもしれないが、対外戦向けのノウハウが充実しているとは思えない。

 梁さんの「神機心戦機『高新7号』」では、概ねEC-130と同等であると説明されている。梁さんによると、高新7号は運-8(An-12)を改修した機体で、19人乗り、AM,FM,HF(短波:SWのこと)、テレビ放送設備を持ち、同時にEA、EPほかの電子戦が可能とされている。8時間以上の飛行が可能であり、すでに飛行時間6000時間を越えているともされている。

 しかし、心理戦機の具体的な利用については言及されていない。あるのは、米国のEC-130の説明であり、同じように使えるという示唆である。

 心理戦についても、まともに言及していない。例としては『史記』での四面楚歌と、日中戦争でも宣伝戦だけである。後者は、日本軍隊無法、の蛮行を世界に伝えたという意味で、心理戦とはややずれている。

 実際に、高新7号は対外戦には、あまり使えないだろう。もともと中国の対外宣伝が上手にいった話は聞かない。かつての、あるいは今の北京放送を聞いても、宣伝効果よりも国内都合を先に出している。対外戦での心理戦も見るべきはない。唯一、国内で日本軍を包囲した上で「投降しろ」がいいところである。朝鮮戦争でも上手く行っていないし、上手く行った国共戦は内戦である。

 心理戦機は、信念が揺らいだ相手には有効かもしれない。だが、それも対外戦であれば、相手国の文化、国情、人心に通じて始めて可能になる。信念を持つ相手となると更に難しい。米国であれば、ソフトパワーで多少は信念を揺るがせられるが、中国にはそういったものはない。

 基本的に、アメリカが作っているから作ったものだ。機体は難しくない。機内の偽装も難しくない。対して高くもない周波数に、AM/FM/SSB、あるいはデジタルで送り込むだけの話であり、民生用器材を組み合わせればできてしまう。

 中国も、実用としてはあまり期待していないだろう。梁さんもどう役に立つのか困った様子で、国内での災害時で活用できるとしているが、その程度ではないか。あるいは、VOAほかの外からの宣伝放送にジャミングを掛け、あるいは強力な通信で完全に上書きするような使い方がいいところあろう。



※ 梁天仞「神機心戦機『高新7号』」『鏡報』435号(鏡報文化公司,2013.10)pp.50-53.
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