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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.10
23
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12:00
Category : ミリタリー
 演習で88式SSMを先島に持っていくという話がある。「自衛隊統合演習に射程100km超の地対艦ミサイルを石垣島に展開へ」では、中国に対する牽制を狙っているという。それはそれでよい。

 しかし、88式や後継の12式は、離島展開に向いていない。いずれも、内陸で防護された陣地に置く発想で作られており、結局は本土に敵が押し寄せてくる発想の名残に過ぎない。自走できるものの、海上輸送での荷揚げや航空輸送では不便な大きさになっている。システムも無駄に高度であり、人員多数を従事させる兵器になっている。

 むしろ、離島防衛なら、ミサイルをバラで持って行ったほうが良い。ミサイル単体は、500-700kg程度しかない。大きさも、中身は直径30cm、コンテナも直径50cm程度である。ヘリに積めるし、コミューター機にも積める。漁船でも扱える重さ・大きさであり、容易に運べる。発射用トラック本体や、大掛かりな通信システムや、予備ミサイルを積むトラックやクレーンといった、ミサイルよりも何倍も重い物を持っていく必要はない。

 また、隠すことも容易である。極端な話、地面に幅・深さ直径50cm、長さ6mの穴を掘って仕舞っておけば、容易に発見できない。埋め戻しておけば多少の砲爆撃にも耐える。建物や横穴式の陣地にも簡単に入れることもできるし、方位が良ければそこから発射もできる。

 対艦ミサイル発射台もそれほど大したものは要らない。廃材で組んでもいい、廃車トラックのトリイ、仮設足場にでも立てかければよい。搭載も、ヤグラ組んでチェンブロックをぶら下げてもいい。700kg位なら、別にロープがあれば人力でも乗せられる。

 発射システムも大したものはいらない。対艦ミサイルはもともと高度なシステムではない。発射モードを幾つかもっているが、なんだかんだで通常使うのはLOS発射である。その向きにぶっ放せば、経路上にある艦船に突っ込む、燃料消費も少ないので最大射程となる。また、その方位で飛んで行けという方位発射や、この距離で捜索を開始しろというミサイル開眼距離の指定といったものも難しくない。人手での入力も、パラメータも少なく、時間的余裕もある。TOTにしても、大したロジックではない。コネクタを工夫すれば、今ならiPHONEとアプリで設定できる。

 これらの利点は、実は内地での運用でも変わらない。結局は、対艦ミサイルはバラでも構わない。バラで使う利点や、大掛かりな発射システムの不効率は、内地防衛でも同じことである。別に88式や12式の高度な発射システムが必要なわけではない。中身のミサイルをバラにして使えばよかった。また、海自の余剰ハープーンをそのままつかっても良かったということだ。

 特に12式は無駄の極みである。ミサイルとしての性能は88式と大差ない。それなら、在庫している88式の誘導部まわりだけを改修してもよかった。ミサイル全体を変えるにしても、88式発射機を使えるようにすればよかった。それをゼロから一式作ったのは、10式戦車と同じ防衛予算の無駄遣いである。
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Comment

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おまけに、陸自のSSMはまともなデータリンクもない(今更になってようやく海空とのリンク装置を新規開発案件で揚げてるような有様)からますます使いようがアレなんですよね。

12式とは何だったのか

百歩譲って、未だに地対艦ミサイルを開発・運用しているのは海洋国の中でも少数という現実に目をつぶって日本が地対艦ミサイルを今後も整備すべきだとしても、

万歩譲って、現行の88式と比べて特別な性能向上(超音速であるとか、射程が300Kmくらいあるとか、本文中にあるように分解・搬送が楽であるとか)がない地対艦ミサイルが必要だとしても、

いくらなんでも艦対艦ミサイルとは別のミサイルを使用し(この時点で諸外国では考えられない)、発射機まで旧式のものと互換性が無いミサイルシステムを開発する必要があったのかと。