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- » 2023 . 07
Category : 中国
台湾に潜水艦を売っていいことがあるのだろうか?
北村淳さんが、日本は中国に潜水艦を売れと主張している。※ 「卑怯者国家」のレッテルを貼られないために東アジア全体のために中国と対立しろとするものだ。
だが、中国との関係悪化と釣り合うリターンはあるのか? 台湾に潜水艦を売るということは、中国との関係悪化を覚悟するということである。中国は、台湾に武器を売る国は許さない。フランスでも、ドイツでも、自国へのアクセスを妨害する。「二つの中国」に加担する国には、中国自体が経済的な不利益を受けても対抗する覚悟が中国にはある。しかも、西欧ならともかく、よりによって日本が「二つの中国」に加担すると、面子から抵抗は徹底的なものとなる。
それに見合う利益は考えられない。北村さんは、日本が誇り高い国家になれば、割があうと考えている。だが、「東アジア諸国」全体のための奉仕と、日本が「卑怯者国家」と呼ばれないことは、何の利益にもつながらない。単なる精神的な満足に過ぎない。それよりも、中国との関係悪化、日本が中国市場から締め出される経済的ダメージの方がはるかに大きい。
そもそも、東アジアのどこの国も火中の栗は拾わない。中国にある膨張主義の萌芽は迷惑だか、中国との関係悪化をする気はさらさらない。そこに日本だけが「東アジア諸国共通の“公敵”である中国の覇権主義的海洋侵攻戦略を封じ込める」といっても、ただのドン・キホーテに過ぎない。東アジア諸国平和のために中国と対立しても、恩を享けるその東アジア諸国は日本を助けやしない。
実際に、台湾に武器を売っても、バカを見るだけの話だ。売ってもらった台湾は感謝はするだろうが、それだけである。今の両岸関係では、日本が中国市場から閉めだされれば、台湾人はこれ幸いとその空白を埋めようと、中国とのビジネスを強化することになる。もちろん、見返りで日本が台湾市場ごときで特恵的な位置をもらっても、広大で成長が見込める魅力的な中国市場の代わりにはなりもしない。
中台関係には巻き込まれないのが、日本の方針である。これは、1973年に日中国交正常化してからの原則である。当時から、さしたる価値もない台湾問題は、重要な価値を持つ中国問題に影響を与えてはならないことは明らかであった。新中国の価値は、その後経済成長で益々増加しているし、濃密になりすぎて切ることのできない日中の経済、人的交流(中国から来たお嫁さんが何人いるか考えるといいでしょう)といった面からも、台湾よりも中国が重要である。台湾程度の問題で、中国との関係を悪化させることは許されないということだ。
中国との対立、領土問題、軍備競争にしても、ゲームに留める必要がある。金儲けや、人的交流の問題がある。とにかく実質的な友好関係を維持することだ。安保その他の問題が気になるにしても、にこやかに握手する裏で、日本側が優位ある諸条件、例えば海軍力の優越そのほかを維持し、積み増せば済む話に過ぎない。真っ向から喧嘩をふっかけて、冷戦関係になっても何の得もない話である。
※ 北村淳「切り札は日本の潜水艦技術、中国の覇権主義を封じ込める妙手とは」『JB Press』(日本ビジネスプレス,2013.10.31)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39037
北村淳さんが、日本は中国に潜水艦を売れと主張している。※ 「卑怯者国家」のレッテルを貼られないために東アジア全体のために中国と対立しろとするものだ。
東アジア諸国共通の“公敵”である中国の覇権主義的海洋侵攻戦略を封じ込めるのに一肌脱がないと、それこそ憲法9条を隠れ蓑にアメリカ軍事力に頼りきり自主防衛努力を放棄した“卑怯者国家”とのレッテルが国際社会に定着してしまいかねない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39037?page=4
だが、中国との関係悪化と釣り合うリターンはあるのか? 台湾に潜水艦を売るということは、中国との関係悪化を覚悟するということである。中国は、台湾に武器を売る国は許さない。フランスでも、ドイツでも、自国へのアクセスを妨害する。「二つの中国」に加担する国には、中国自体が経済的な不利益を受けても対抗する覚悟が中国にはある。しかも、西欧ならともかく、よりによって日本が「二つの中国」に加担すると、面子から抵抗は徹底的なものとなる。
それに見合う利益は考えられない。北村さんは、日本が誇り高い国家になれば、割があうと考えている。だが、「東アジア諸国」全体のための奉仕と、日本が「卑怯者国家」と呼ばれないことは、何の利益にもつながらない。単なる精神的な満足に過ぎない。それよりも、中国との関係悪化、日本が中国市場から締め出される経済的ダメージの方がはるかに大きい。
そもそも、東アジアのどこの国も火中の栗は拾わない。中国にある膨張主義の萌芽は迷惑だか、中国との関係悪化をする気はさらさらない。そこに日本だけが「東アジア諸国共通の“公敵”である中国の覇権主義的海洋侵攻戦略を封じ込める」といっても、ただのドン・キホーテに過ぎない。東アジア諸国平和のために中国と対立しても、恩を享けるその東アジア諸国は日本を助けやしない。
実際に、台湾に武器を売っても、バカを見るだけの話だ。売ってもらった台湾は感謝はするだろうが、それだけである。今の両岸関係では、日本が中国市場から閉めだされれば、台湾人はこれ幸いとその空白を埋めようと、中国とのビジネスを強化することになる。もちろん、見返りで日本が台湾市場ごときで特恵的な位置をもらっても、広大で成長が見込める魅力的な中国市場の代わりにはなりもしない。
中台関係には巻き込まれないのが、日本の方針である。これは、1973年に日中国交正常化してからの原則である。当時から、さしたる価値もない台湾問題は、重要な価値を持つ中国問題に影響を与えてはならないことは明らかであった。新中国の価値は、その後経済成長で益々増加しているし、濃密になりすぎて切ることのできない日中の経済、人的交流(中国から来たお嫁さんが何人いるか考えるといいでしょう)といった面からも、台湾よりも中国が重要である。台湾程度の問題で、中国との関係を悪化させることは許されないということだ。
中国との対立、領土問題、軍備競争にしても、ゲームに留める必要がある。金儲けや、人的交流の問題がある。とにかく実質的な友好関係を維持することだ。安保その他の問題が気になるにしても、にこやかに握手する裏で、日本側が優位ある諸条件、例えば海軍力の優越そのほかを維持し、積み増せば済む話に過ぎない。真っ向から喧嘩をふっかけて、冷戦関係になっても何の得もない話である。
※ 北村淳「切り札は日本の潜水艦技術、中国の覇権主義を封じ込める妙手とは」『JB Press』(日本ビジネスプレス,2013.10.31)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39037
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17:57
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情報機関の創設が絶対条件です
相手の情報もなしに武器を売るのは自殺行為