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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2013.12
01
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Category : 未分類
 機動戦闘車は戦車への未練ではないのか?

 機動戦闘車を200-300ほど作りたいという話がある。防衛力整備の中の話として、戦車定数を300に減じ、本州には戦車の代わりとして機動戦闘車を置くというもの。そのような防衛省の希望や、自民党国防族の願望がひと月前ほどに新聞報道されている。

 ただし、予算の節約にはなっていないのは問題である。金食い虫で、まず使う見込みもない戦車定数をせっかく減らしたのに、同じような機動戦闘車をそれ以上に買うのでは、予算節減の効果はない。結局は、戦車を減らしましたよという名目の下に焼け太るようなものだ。

 その機動戦闘車も、間違いなく高値になる。見た目だけでも性能は過剰である。歩兵への直接協力や、対装甲車にしか使わないのに、105mm戦車砲や高度なFCSは要らない。あれは戦車への未練にしか過ぎない。

 歩兵直協なら、今のタイヤ式の96式装輪装甲車に、山砲でも積んでおけばそれでよい。75mmパックハウザーでも、旧軍の41式山砲でも、106mm無反動砲でもよい。榴弾威力でゲリラのたぐいが寄る掩体の類を吹き飛ばすならそれで事が足りる。敵装甲車との戦闘でも、本州では所要もないし、北海道でも九州でのまず必要性もない。極端な話、施設科で使っている資材運搬車に、防弾用6mm鋼板を貼って、そこに106mm無反動砲を積んだ奴でも構わない。ドイツが使っているウィーゼルも、エンジン出力は大きい物の、中身はそんなものだ。

 別に今の74式を使い続けても良い。その程度の役割であれば、74式で充分にことは足りる。文句をつけられている足回りも、油気圧とエンジン-トランスミッションを再製すれば、問題点は解決する。エンジンが気に食わなければ、別のディーゼルに積み替えても良い。確かに、74式のエンジンは、掃海艇でも使われていたが評判は非常に悪かった。足回りの油気圧懸架方式も、姿勢制御を取っ払った固定式にしてもいい。いずれにせよ、この手の整備は、予算要求上でも特に難しくない。寿命延長は護衛艦や航空機でもやっている。単債でできなければ2国、3国の国債(国家債務負担行為)でやればよい。

 どちらにせよ、機動戦闘車を買うよりも間違いなく安い。機動戦闘車は5億を超える。対して、装甲車+山砲であれば、2億も掛からない。96式は車体価格で1億程度にすぎず、パックハウザーや山砲の類も、1門1億しない。そして、車体整備は既存の態勢で対応できる。74式再生も、従前どおりの足回りとパワーパックをそのままリファブリッシュするのであれば、1両あたり1億は要しない。

 なんにせよ、既に戦車は余っている、新しい戦車や戦車モドキを新製する必要はない。現定数定数400両でも、すでに350両の90式と50両の10式で埋まっている。80年代後半に作った若い74式も相当数が在籍している。これらはまだまだ充分に使える。それをわざわざスクラップにして、無駄に新しい10式や機動戦闘車を発注するのは、無駄遣い以外のなにものでもない。

 すでに冷戦は終わっている。かつての北海道のように、多数の戦車を配して、対上陸戦に備え、あるいは仮想敵国に圧力を加える時代ではない。戦車や戦車モドキに期待される役割は相当に小さくなっている。現有装備を大事に使い続ければよい。

 機動戦闘車は必要な装備ではない。確かに、機動戦闘車は海外派兵や離島空輸ではあったほうがいいかもしれない。だが、その所要は30両もあれば十分である。少数であれば別に輸入でも良い。そして、各普通科連隊で、連隊砲的に使うには過剰性能で高すぎる。それなら、96式に山砲のっけたのや、いまある74式改修で済ませればよい。



※ 日付を間違ったので手動で急遽反映しました。
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No title

日本に侵入してくるゲリコマには、堅固な防御築城などできない。
彼らには兵站線がなく孤立してる。
重機もないし資材もないし時間もない。
机や本棚で即席のバリケードを作るぐらいしかできない。
その程度の防御力しかない相手に機動戦闘車の105mm砲なんて過剰もいいとこ。
ゲリコマ対策で気をつけないといけないのは、ゲリコマが日本国民を人間の盾にすることだよ。
ゲリラと人質を一緒に吹き飛ばしかねない大威力の砲なんて役立たず。