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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.12
12
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12:00
Category : 未分類
 10年前の話。第二海堡に設定されたデッカ基点を確認に行く仕事があった。

 デッカとは、陸上基地局をつかった海上電波測位技術。距離は短いが、高精度なので対機雷戦に多用していたもの。

 そのデッカ局を置くための土地が第二海堡にあることになっていた。国有財産台帳を見ると、5m×5m?のネコの額の土地が、防衛省行政財産として載っている。それがどうなっているかを探すというもの。正々堂々と海堡に上陸できる機会なので当然参加した。総監部桟橋から交通艇で第二海堡に向かう。

 横須賀-海堡-富津は東京湾最狭部なので、すぐに到着する。記憶していないが、今調べると距離5マイルなので15ktで20分、多少遠回りしても30分でついたはず。そこでさっさと上陸する。当時は、海保が使う防火防水訓練場があった。あそこでたまに、煙を出すけど気にするなみたいな水路告示があったような気がする。

 同人で海堡をやる気まんまんだったので、上陸後、己は仕事はほったらかし。台帳から調べた大概の位置を示して、あとは作戦部の小幕僚、N-4Xと海曹にまかせて遊びに行く。海堡の中には柵もないので、関東大震災で割れた砲台あとその他を激写していた。当時はコンタックスのT-2だったが、海堡ということでリバーサルのベルビアを奢っていた。

 30分位激写して戻ると、小幕僚が「どこにもないぞ」という。「遊んでないで真面目に探せ」とも怒る。だがね、奴さんは出世ゲームが大好きな御仁。最初は己が邪魔だった。「俺が指揮して探すから文谷は見物でもしてこい」と、そう言った。だが、それはキレイに忘れている。そのうち「お前らの管理する台帳が悪い」とかも言い出した。まあ、指揮系統が違うから何言っても知ったことではない。向こうが上級だったけどね。

 ま、財産の杭なんか、どこかに隠れるようなものではない。平地で草もロクロク生えていない。そこに杭がないということは、誰かが抜いたか、土盛りでもして整地されたんだろう。そう言ったが、先生は納得しない。あるはずのないところまで必死に探しているが、見つかるはずはないのだけどね。まあ、己にしても、自分では「ない」という結論が出ているので、今日のところは何やっても無駄だと判断している。じゃ同人準備に励もうかと、探すふりをして激写を続けた。

 小一時間かね。宝探しに飽きた頃、ようやく「どうするのか」という。要は、財産管理側の責任、幕僚部は責任はない。この面倒はそっちのやる仕事だぞと、面倒を振ったつもりなのだろう。ただ、己からすれば大した面倒ではない。土地はあるが、杭はないだけの話にすぎない。しかも、民有地との取り合いはない。周りは全部、財務局が管理する使い道のない普通財産。財務と話して境界確定をすれば済む。だから「公図あたりを参考に、基点から測量するしかないだろうね」と言った。地面の権利があるのだから、あるべき場所にまた杭でも打てばいいだけだ。それは財産管理側で、文谷がやるんだなと、責任回避の確認をした後、その日は引き上げることにした…のだけれども。

 …最後に大チョンボ。交通亭の艇長さんが、中瀬航路の横断禁止地区を横切った。己等は荷物で載っているだけ。チャートも見ていないので、そんなことは全くわからない。

 しばらく経つと、後ろから巡視艇が追っかけてくる。何かスピーカで言っている。よく聞くと「そこの防衛庁YF◯◯◯◯、止まりなさい」というもの。止まって話を聞くと、横断禁止地帯を渡りましたよねという確認。防衛省が海保にとっ捕まって切符を切られたという始末。

 翌日の総監部OPでこの話が警備隊(交通艇を出す港務隊がある)から出る。再発防止教育についての説明の後、空気を変えるためか、ちなみに艇長の曹長さんが罰金いくらだかになったという報告だった。それを聞いた総監(確か後に統幕長になった斉藤さん)「んー、自衛隊でも捕まって罰金取られんだ」と、相当、自然な感想があった。幕僚長(ヘリパイの小林さんだったか?)が「自衛隊ナンバーでも交通違反で捕まりますからねー」とこれまた自然な感想。そのあと、総監が「まあ、やっちゃったことは仕方がない。艇長には気を落とすな、その分仕事で挽回しろと言っていたと伝えろ」みたいなこと言っていたよ。

 そして、デッカ基点については、掃海屋さんは大して気にもしてなかった。上司の管理部長が◯掃で、興味もあるのだろう。「報告しろ」というので、報告したが、焦点はそこに本当に行政財産としての土地権利があるのかという点だけ。「防衛省の地面があって、デッカを展開する権利はあるってことだな」と確認したあとは、それでいいやという感じだった。

 報告後、課に来て課長と己と雑談していったが、デッカ展開では特に財産杭は必要ないようなこともいっていた。第二海堡については「あそこはデッカで精度だすのに欲しいんだよね」と、今から思えば己達に仕事の重要性を強調したあと「でも、デッカ局置くときにも基点から測量するから、そこまでの厳密さは要らない」と、同じように仕事の仕上がり精度についての要求をしていった。

 その後、測量訓練を兼ねた海曹チームを送った。仮の鋲なり杭なりを打ったはずだか、その時には同行しなかったので、残念ながらその写真はない。

 その後の処理は管財係長(この人は施設庁から出向の事務官、行(一)4の大尉・少佐級だった)が、施設庁と財務省の横須賀財務局でチョイチョイやった。まあ、推測だけど真新しい仮鋲・仮杭を、昭和の昔からあったことにしたんじゃないのかね。施設庁も財務局も、面積だけ(だいたい)あっていれば構わない(なんせ、メートル法に変える時、1坪=3平方メートル換算だった)スタンスなので、それが一番面倒ないスマートな解決法だと思うよ。
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