RSS
Admin
Archives

隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

→ サークルMS「隅田金属」
→ 新刊・既刊等はこちら

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Powered by fc2 blog  |  Designed by sebek
2014.01
27
CM:1
TB:0
12:00
Category : 未分類
 帆走利用については、研究するのは悪いことではないのかもしれないが、実用性は望めないものだ。

 「帆とエンジンのハイブリッド、次世代帆船開発中」で、帆走併用船の研究が報道されれている。

 しかし、これは1980年代にもやっている。機械じかけの帆をコンピュータ仕掛けで開閉し、エンジンの補助を行わせる船としては新愛徳丸があった。だが、結局は実験の域は出なかった。

 帆装併用には、建造コストの問題、運用性の問題、エンジン改良との競争での問題があるのだろう。

 建造コストの問題としては、帆走装備はどうしても高価となる点である。基本的に、今日の商船は消耗品であり安い。エンジンとシャフトと舵廻りを除けば、結構ぞんざいに作ってある。船体はタダの箱だと思えば良い。それに高価な帆走装備を何本も甲板の上におき、下部にも同じ数の支持構造を作るのでは建造コストがかさみすぎる。

 また、運用性でも問題がある。甲板上の帆や、船体内の支持構造が荷物の積み下ろしの邪魔をする。船舶輸送のコスト計算では、積み卸しの荷役作業のコストが燃料代と同じ位かかっている。荷役が難しい商船は、燃料を食う船と同義である。また、帆走装備によって搭載容積を減る点もある。船体の大きさの割に荷物を搭載できない商船は、経済的に効率が悪い。

 この2点については、ライフ・サイクル・コスト全体で見ないとならない。帆走によって燃費が3割減っても、減価償却や運航コストが3割増えるとか、荷物搭載量が3割減ったのでは意味が無いのである。

 将来的なエンジン改良との競争に勝てるかも微妙である。燃料費削減の方法としては、エンジンを改良する方法がある。今の船舶用低速ディーゼルは技術的限界、カルノーサイクルに相当近似しているかもしれない。だが、エンジン側にもコスト的に競争する余地がある。例えば、安価な低質燃料の利用がそれだ。極端な話、褐炭の微粉炭といった劣悪燃料でエンジンが回るようになれば、帆走装備が勝てるかは怪しいだろう。

 もちろん、研究するのは悪いことではない。だが、帆走が現実に経済性をもって使えるかどうかについては、懐疑的になるのである。



※「帆とエンジンのハイブリッド、次世代帆船開発中」『ヨミウリオンライン』(読売新聞,2014.1.26)http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20140126-OYT1T00270.htm

※※ どっちかというと、水中グライダーで潜水タンカーを作る”Slocum glider”のほうがヨリ夢があるのではないかね。
スポンサーサイト

Comment

非公開コメント

エアロトレインに似てますね

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110126/218156/?ST=smart

翼をつけて揚力で電車を浮き上げるという計画なのですが…

確かに、電力使いまくり、原発再開が前提のリニアモーターカーよりエコだというのはわかりますけど。

どう考えても、翼が邪魔で建設費かかりそう。でも、ロマンで研究は続けるんでしょうね。