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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.03
01
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20:07
Category : 未分類
 飲んでいて岩波ホールでやる『ワレサ 連帯の男』の話になったのだけれども。


 なんだかんだいって、ソ連は実際に介入できない立場だったよなという方向に話が進んだ。

 1980年代、ポーランドで始まった自主労組、連帯とその運動に対しては、ソ連が介入するかどうかが話題になっていた。ソ連は介入一歩寸前まで行ったとするのが、同時から今までの常識であった。

 しかし、ソ連が介入しても、デメリットの方が多いので介入はない。まずは、①対外イメージの失墜がある。また、②介入が失敗した時の威厳低下もある。そして、③介入実施によって東欧離反が明瞭になる可能性がある。

① ポーランドに介入すれば、ソ連の対外イメージは間違いなく失墜する。1980年正月、アフガン侵攻では、平和のための結集決議をソ連はつきつけられている。世界平和の敵と宣言されたようなものだ。その上、ポーランドの自主的な労働運動に武力介入したとすれば、侵略者としてソ連はイメージされることになる。

② ポーランド介入失敗による威厳低下の可能性も高い。迅速な制圧に失敗する見込みは相当にある。その場合には介入は失敗である。衛星国への介入に失敗したとなると、強力なソ連といった印象は一気に崩れてしまう。軍事力以外に何も持たなかったソ連は、超大国であるかどうかといった疑念を抱かれることになるだろう。

 介入が失敗する可能性は少なくない。ポーランドは一丸となってソ連と交戦する可能性が高い。確かに、映画『ワレサ 連帯の男』で描かれているように、連帯と政府の衝突を激しいものである。連帯運動はポーランド政府の敵であった。だが、連帯と政府の争いは、あくまでの国内の主導権争いに過ぎない。国外からの侵略があった場合、ポーランドは一丸となって立ち上がる可能性は高かった。ハンガリーやチェコと異なり、ポーランド共産党、政府、軍の関係は強固なのである。

 国民国家としもポーランドは強靭である。カソリックの国であり、その点での団結も強い。なんせ、労働者党(共産党)の党員も洗礼を受けている国である。その上、国民も反ロシア感情が強く、ソ連の侵略には徹底抗戦するだろうことは間違いない。

③ ポーランド介入の過程で、東側の離反が明らかになってしまう可能性も高い。ポーランドへの介入で、東側諸国がどれだけ協力するかも怪しい。明らかに不正義であるポーランド介入に、積極的に付き合う国は東ドイツ位なものだろう。自分たちが東側ブロックの優等生である、そう勘違いをしている東ドイツ以外には、まともに付き合う国はない。ルーマニアは明らかに拒否する。チェコスロバキアやハンガリーにとっても、かつての記憶から自国国民の強力な反発に直面する。社会主義国家でも、自国政権の安定性を揺るがすような政策は取れない。唯一の親ソ国、ブルガリアも、やれと言われればやるが、乗り気でもない。あと、兵隊を出してくれるのはモンゴルくらいしかないだろう。

 介入の結果、東側の拒否が見えると、やはりソ連の権威は低下する。ルーマニアの明確な離反、ユーゴ化と、チェコスロバキア、ハンガリーが距離感をとると、その後にも支障が出る。距離感をとっても大丈夫だとわかれば、経済的に西側によりつつあったチェコスロバキアとハンガリーは、さらにソ連と距離を取ろうとする。ルーマニア体制は、国民受けもあるので、ソ連に敵対するくらいの立場を取りかねないだろう。

 とまあ、酒飲みながらこんな話をしたのだけれども。さらに④ソ連国内も怪しくなるよねという話にもなった。

④ ウクライナにある予備戦力をポーランドに向かわせると、ウクライナが動揺する。すでにアフガン侵攻でソ連中央アジアでの反ソ傾向は強くなっている。その上、ウクライナのビンの蓋である、キエフ軍管区(ソ連の国家予備戦力、第2OMGそのもの)をポーランドに投入した場合、ウクライナも動揺する可能性がある。

 他の軍管区から埋め合わせにウクライナに送るにしても、引っ張るにしても、まともな部隊や兵站機能はすでにアフガン侵攻で使い尽くしている。そのためには大規模動員を掛けなければならないが、経済的に厳しい当時のソ連にとって、西側や中国との戦争でもなければ大規模動員は出来る話ではない。

 実際のところ、こういった問題があるのでポーランド介入はなかったのではないかという話になった。厳密には関連書籍や先行研究も見なければいけないが、あながち間違っているわけでもないだろう。



 まあ、ミリタリーの仲間内で飲み会やっても、全然、メカや軍隊の話をしなくなったよ。2次会で、高名な軍事評論家、艦これでマネタイズしている日本軍艦の権威のAさんとか、独露軍事史に造詣深いBさんと話したものだが、研究史的な話とか、『菊と刀』的な「彼らはこう考えるんじゃないか」みたいな話とか、明治時代の蓄妾の神様、伊藤博文は森繁久彌がハマっているとかいったような、アニメとか映画の話しかしなかった。ストパンの映画についても、「どうせだから、最初の『ランボー』やれば」みたいなはなしだけどね。
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