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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2014.03
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Category : 未分類
 防衛省の工事だから、一切の抗議を許すなとする意見はどんなものか。

 半沢尚久さんの「海猿にバッシング 辺野古警備に『逃げ腰だ』」(産経新聞)だが、沖縄局による辺野古埋立について、海保と警察は特別扱いしろと主張している。抗議は許さず、特別法を使って取り締まれというものだ。「それをしない海保と警察は勇気に欠ける」とする主張もしている。

 半沢さんは、辺野古埋立工事について、他の工事との公平な取り扱いを求める海保と警察に対して、「防衛省の担当者があぜんとするのも無理はない」と否定的にとらえている。
昨年12月、沖縄県の仲井真弘多知事が辺野古の埋め立てを承認したことで主要な手続きは完了した。それを受け政府は、現地で調査を行う際の反基地活動家らの過激な妨害に備える警備態勢の検討に入った。

 焦点は海保と沖縄県警の対応だ。

 「自主警備でやってもらえませんか」

 担当者レベルの協議で海保にそう告げられ、防衛省側はあぜんとしたという。海保のいう自主警備とは、防衛省が契約する民間業者による警備を指す。
[中略]
 海保は民間ガードマンの警備に委ねるべきだとの考えを示し、「不介入」も宣言したに等しい。防衛省の担当者があぜんとするのも無理はない。(半沢,2014)


 しかし、防衛局工事と他の工事との間について、卑賤の差はない。民間のビル建設や、国交省直轄工事として行われるダム建設と、防衛省直轄工事として行われる辺野古埋立には、工事として法的には卑賤の差異はない。このため、取り扱いを変える理由はない。

 海保や警察にしても、防衛工事だけ厳重に取り締まる理由も立たない。実際は、政治的にややこしい工事なら、公安に相当する警備課が局の相談に乗ってくれたり、不発弾発見については民間よりも早く処理してくれる。だが、それ以上のことはできない。

「防衛の工事だけは、抗議行動を許すな」ということは、警察も公平の観点からできない話だということだ。これが、原子力関連のような、危険性を伴うものであれば理由も立たなくもないのだが、やるのは単純な埋立工事である。その点でも、他の民間や地方公共団体、国の行う工事と差はない。

 また、半沢さんは、駐留軍にかかる刑特法を適用しろと主張しているが、これもあまり使えない法律である。

 まず、刑特法については、海上ではあまり四面四角には運用した例もない。佐世保でも米軍基地と漁民の間でトラブルがあるが、刑特法を使ったという話もない。そもそも、米軍との水面争いで漁民を逮捕しても裁判で勝てない状態が続いていた。普天間でも、同じように海面争いをしても、国は勝てるとは限らない。そうなれば、やるだけ無駄である。
 また、海上の1線を越える、あるいは越えたからどうこうという前例はない。陸上での土地侵入とは異なり、水面だと入った入ってないで、相手の船に乗り込んで強制的に追いだすとか、逮捕したという話るような話は聞いたこともない。道路でのデモ対応と同じで、出て行ってくれといいながら、圧迫して追い出す程度でしかない。そして追い出せば、捕まえる必要もない。

 いずれにせよ、筋が悪すぎる。これらの前提もあるので、警察組織としての海保が積極的に動くことはない。防衛省・沖縄防衛局の片方にだけ肩入れするような警備をしても、海保が恨まれるだけで何もいいことはない。大げさな言い方かもしれないが、海保にとって60年安保の治安出動をリクエストされたようなもので、恨まれることは真平御免といったところである。

 なんにせよ、海保は国交に属する。防衛に言われたから動く組織ではない。普天間は大事だという防衛サイドだけの理由で、「[海保は]『反基地活動家の妨害排除に逃げ腰だ」(首相官邸筋)との批判」をしたり、「『BRAVE HEARTS(勇者たち)』。[という、海猿]映画のタイトルに恥じない職務遂行を期待したい。(半沢尚久)」と言うのは、完全に筋違いだろう。

 そもそも、この手の強権的な取締は、やればやるほど反対運動も盛り上がるというものである。辺野古埋立そのものが県民の支持を得ているようには見えない。そこで、国が強行的な工事をやった場合には、成田の二の舞いになる可能性もある。

 辺野古埋立は、県内世論や、ジュゴンの件もあり、嘉手納や自衛隊基地への波及の可能性もある。その伝でいれば、やらないのが一番良いが、やるにしても、時間がかかることを覚悟し、地元感情を汲んでもっと穏当にやらなければならない。時間はいくらでも伸ばせる。揉める事業だから、別に明許繰越でも事故繰越でも問題はない。

 だが、いくら相手が産経だからといって、抗議運動に対して政府関係者が「[海保は]『反基地活動家の妨害排除に逃げ腰だ」(首相官邸筋)との批判」をするようでは、普天間埋立も上手くいかないのではないか。



※ 半沢尚久「海猿にバッシング 辺野古警備に『逃げ腰だ』」『産経新聞』(産経新聞,2014.3.8)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140305/plc14030517510012-n1.htm
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Comment

非公開コメント

No title

そもそも、アメリカもいまさら辺野古に移転する必要ありますかね

というかですね

この人、自分が恨みを買うということが念頭にない。

かつて沖縄戦があって、基地問題も解決しないなかで、刑特法を適用しろと言ってるんでしょ?
いわゆるネトウヨ言説は基本親米ですから、それに合わせた書き方かも知れませんが、一歩間違えば植民地主義者みたいに言われるのでは。

いずれにせよ、相手に非があるという論調でここまで書いてしまってますからね〜。どうして余計なところで火を付けたがるのか、サンケイは炎上ビジネスみたいになってます。

本来海兵隊なんざ沖縄でも米本土でもどこにいても戦時の運用に大差ない。どうせ最後にやって来るんだ。
そういう代物を捕まえてやれ抑止力だ同盟堅持だと沖縄常駐を金科玉条のごとく崇めているから身動きがとれなくなる。
普天間問題は結局基地問題に対する沖縄県民の沸点を下げただけの結果に終わるのかな。
これで嘉手納の運用に支障を来すような事態にでもなればアメちゃん的には泣くに泣けない。