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Category : 未分類
安倍外交とやらも、八方塞がりではないのか?
『外交』最新号に、アレ宰相のTRIM外交が特集されている。鈴木勝美さんの「安倍流『遠交近攻』外交の罠」※ と、TRIM各国との関係を論じる記事4つ。合計5ヶほとの面白い記事が掲載されている。ちなみに、TRIMとはトルコ、ロシア、インド、モンゴルを繋げたものであり、アレ宰相が重点視した国である。
このTRIM外交は、まずは成功していない状況にある。トルコ、ロシアは話の相手にならず、インドは両端首鼠であり、モンゴルには自主性がないためである。
このうち、トルコは現政権が死に体になっている。記事でも指摘しているが、安倍政権で、アレ宰相がいの一番にいった国だが、トルコのエルドワン政権は国内政治で指導力を失っている。現トルコ政権と仲良くしてもすでに良いことはない。成果とされる原発輸出も、エルドワンとの属人的な繋がりであれば、あまりあてにならないだろう。
ロシアはアメリカと対立を始めている。この点、記事ではウクライナ問題を指摘している。実際に、クリミア半島併合でロシアは米国だけでなく、先進各国と対立する状況になっている。この状況で、ロシアとはあまり仲良くし難い状況である。そもそも、靖国参拝で一気に悪化した米国との間で、関係改善を図ることが優先される。対露関係発展は、アレ政権の間はムリだろう。
インドについては、『外交』の記事は重要な点を明示している。インドは中国のADIZ設定を非難せず、中立の立場にある。これは鈴木さんの記事でもそうだが、各論にあたる堀本武功さんの「したたかなインドが意向の長期的な戦略思考」※※ でも「1月訪印した小野寺防衛相が問題提起できなかった点」までも指摘している。
さらに、双方とも中印経済関係深化も指摘しており、後者ではさらに
モンゴルについては、記事では「第三極としての日本」程度の表現に留まっている。だが、プレイヤーとしてのモンゴルは、中国に対立し得ない点は明らかである。中露双方からの板挟みになった時のために、日本と友好以上に仲良くしているだけであって、中国へのカウンターは期待できないだろう。
TRIM外交は八方ふさがりであるということだ。
さらに、鈴木さんは「TRIM外交は、ドーナツ外交ではないか」とも指摘している。中国と韓国とは一切関わろうとせず、外環部とだけ外交をしている点を比喩したものだ。アレ宰相は、これを遠交近攻と考えているのかもしれないが、政治的な課題となり、痛みを伴う中韓との外交を避けているだけとも言えるだろう。逆に、遠い国は大した利害関係もないので、首脳同士でキャフフすれば終わる。§ 問題を直視する必要も、解決で身を切られる心配もない。
アレ宰相は、外交でも逃避する傾向にあるということだ。アレの第一期の政権でもそうであったように、結局は問題に正対せず、ただ逃避する傾向にある。今回の消費増税でも財政削減には全く手を出さず、支援業界や支持層へのバラマキ政策をやっている。外交も同じだろう。
※ 鈴木勝美「安倍流『遠交近攻』外交の罠」『外交』2014.3(時事通信,2014.3)pp.16-20.
※※ 堀本武功「したたかなインドが意向の長期的な戦略思考」『外交』2014.3(時事通信,2014.3)pp.34-39.
§ 韓国大統領に韓国語で挨拶したのも、その伝ではないのか。対立関係にある相手に、真剣に立ち向かわず逃げる姿勢であるとも言える。
『外交』最新号に、アレ宰相のTRIM外交が特集されている。鈴木勝美さんの「安倍流『遠交近攻』外交の罠」※ と、TRIM各国との関係を論じる記事4つ。合計5ヶほとの面白い記事が掲載されている。ちなみに、TRIMとはトルコ、ロシア、インド、モンゴルを繋げたものであり、アレ宰相が重点視した国である。
このTRIM外交は、まずは成功していない状況にある。トルコ、ロシアは話の相手にならず、インドは両端首鼠であり、モンゴルには自主性がないためである。
このうち、トルコは現政権が死に体になっている。記事でも指摘しているが、安倍政権で、アレ宰相がいの一番にいった国だが、トルコのエルドワン政権は国内政治で指導力を失っている。現トルコ政権と仲良くしてもすでに良いことはない。成果とされる原発輸出も、エルドワンとの属人的な繋がりであれば、あまりあてにならないだろう。
ロシアはアメリカと対立を始めている。この点、記事ではウクライナ問題を指摘している。実際に、クリミア半島併合でロシアは米国だけでなく、先進各国と対立する状況になっている。この状況で、ロシアとはあまり仲良くし難い状況である。そもそも、靖国参拝で一気に悪化した米国との間で、関係改善を図ることが優先される。対露関係発展は、アレ政権の間はムリだろう。
インドについては、『外交』の記事は重要な点を明示している。インドは中国のADIZ設定を非難せず、中立の立場にある。これは鈴木さんの記事でもそうだが、各論にあたる堀本武功さんの「したたかなインドが意向の長期的な戦略思考」※※ でも「1月訪印した小野寺防衛相が問題提起できなかった点」までも指摘している。
さらに、双方とも中印経済関係深化も指摘しており、後者ではさらに
中国が東アジアに忙殺されていれば、南アジア、特に印中国境線では平穏が保たれる(堀本,38p)と述べている。実際にそのとおりであり、アレ宰相が無駄に反中国スタンスを表明し、日中関係が燃え上がれば燃え上がるほど、インドの利益である。アレ宰相やその大臣がくれば、飛行機買うよ程度の歓待もするだろう。
モンゴルについては、記事では「第三極としての日本」程度の表現に留まっている。だが、プレイヤーとしてのモンゴルは、中国に対立し得ない点は明らかである。中露双方からの板挟みになった時のために、日本と友好以上に仲良くしているだけであって、中国へのカウンターは期待できないだろう。
TRIM外交は八方ふさがりであるということだ。
さらに、鈴木さんは「TRIM外交は、ドーナツ外交ではないか」とも指摘している。中国と韓国とは一切関わろうとせず、外環部とだけ外交をしている点を比喩したものだ。アレ宰相は、これを遠交近攻と考えているのかもしれないが、政治的な課題となり、痛みを伴う中韓との外交を避けているだけとも言えるだろう。逆に、遠い国は大した利害関係もないので、首脳同士でキャフフすれば終わる。§ 問題を直視する必要も、解決で身を切られる心配もない。
アレ宰相は、外交でも逃避する傾向にあるということだ。アレの第一期の政権でもそうであったように、結局は問題に正対せず、ただ逃避する傾向にある。今回の消費増税でも財政削減には全く手を出さず、支援業界や支持層へのバラマキ政策をやっている。外交も同じだろう。
※ 鈴木勝美「安倍流『遠交近攻』外交の罠」『外交』2014.3(時事通信,2014.3)pp.16-20.
※※ 堀本武功「したたかなインドが意向の長期的な戦略思考」『外交』2014.3(時事通信,2014.3)pp.34-39.
§ 韓国大統領に韓国語で挨拶したのも、その伝ではないのか。対立関係にある相手に、真剣に立ち向かわず逃げる姿勢であるとも言える。
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Comment
外交
15:59
ひのまるせんす
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16:00
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成果なんてどうでもいいということなんでしょうから
18:25
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外遊
21:40
ひのまるせんす
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過去に、多国的に「外交」をした首相がいなかったからでは。
No title
10:35
さて
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エルドアン率いるトルコの与党AKPは地滑り的大勝利みたいですよ。
「もし、潰されそうになった田中角栄を日本の国民世論が守りきっていたら…」という世界がこれから始まるんでしょうね。
No title
20:12
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有望な天然ガスもあるし…
中国へのカウンターというなら南沙諸島問題とかある国なんでしょうけど、そういう国もその手の人が期待してるほど反中一辺倒でもないんですよね。