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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.04
04
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12:00
Category : 未分類
 図書館で横断検索してみたのだが。メタンハイドレート関連の記事はたいてい問題点を指摘していない。日本の周りにこんなにあるとか、エネルギー大国になれるみたいな話は判子で押したように繰り返されるが、肝心の採算見通しそのほかが載っていない。

 メタンハイドレートを商業採掘する目処も立っていない。13年3月の試験採掘について、愛知沖で減圧法で云々と書かれているが、それは条件の良い所での一回こっきりの作業である。商業採掘のためには、採掘技術だけでは駄目で、安定供給が必要で、天候海象に左右されず、貯蔵輸送も確実にしなければならない。果たして、そのコストはどれくらいかかるのだろうか。

 ものの話だと、今の技術だと上手くいってもコストはシェールガスの10倍ともいう。

 シェールガスも、ガス価格が高くなければペイしないエネルギーだった。原油価格高騰に引っ張られて、通常の井戸から取れる天然ガスの値段も爆跳した。その結果、ようやく商業的に引き合ったのがシェールガスである。

 そして、ガス価格が下がるとシェールガスは割が合わなくなった。シェールガスの大量採掘により、天然ガス市場がダブついた。その結果ガス価格が下落したので、シェールガスは全くペイしなくなった。今となっては、いろいろな会社がシェールガスへの投資を損切りしている現状である。

 メタンハイドレートは、どうみてもシェールガスよりも高い。シェールガスすらペイしないのに、メタンハイドレートがペイするとは思えない。

 しかし、経済誌の類はそうは書かない。株屋の新聞と同じようなもので、儲かるとしか言わない。金に飢えた亡者に、次に儲かるものを紹介する雑誌なので、儲かりそうなイメージだけを前に出して、問題点は隠す。筆者の良心から書くにしても、事も無げな問題であるようにしか書かない。

 それに騙されると、次の資源はメタンハイドレートだと言い出すようになるのだろう。鉱山には山師がつきものであり、メタンハイドレートにも山師はいる。だが、騙すのは山師だけではない。山師の言い分を、山師であると知りながら吹聴する経済誌ほかのマスコミも、売上のために騙そうとする。

 不思議なのが、そのいうことを余り疑わない連中である。実績ある経営者やら会社の中級‐高級幹部は頭が良いはずなのだが、あまり物事を疑わない。特に前者は金儲けのチャンスに「国家のために云々」とヘンテコな理屈をつけて、自滅のチャージをかけるのはマヌケにみえる。メタンハイドレートが採れたら採れたで価格が暴落する。フランキングされることは間違いないのにねえ。
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