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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

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2014.04
09
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12:00
Category : 未分類
 去年末のNAVINTの記事だが、中国の輸出用潜水艦について潜在的な市場規模を25億ドル超と見積もっている。"Enter the Dragon:China's naval export drive pick up speed"と題した記事に、今まで中国艦を買った国や、旧式艦の入れ替え時期にある国の需要について推計し、全部足した数字を示している。

 しかし、実際に中国製潜水艦はそれほど売れるのだろうか?

 確かに、中国製軍艦の輸出は堅調である。中国は第三世界ほかに向けて、フリゲートやミサイル艇といった手頃なサイズの軍艦を売っている。性能も一昔前の輸出型水上艦とは明らかに異なる。機関も兵装も近代化され、なによりデザインも結構垢抜けている。

 だが、最近は潜水艦を売った実績はない。確かに中国は、かつて第三世界や非同盟諸国向けに、中国は自国製のロメオ-明型を売ったり供与したりしていた。だが、その後の宋型やそれ以降は売っていない。

 おそらく、新世代の中国潜水艦には価格面での絶対的な優位性がない。

 新しい中国潜水艦は、安価ではない可能性が高い。宋以降については、中国は外国製部材を使っているという話がある。フランス製ソーナーやドイツ製エンジンを使っているという話もある。水上艦からの類推では、イタリア製システムが入っていても不思議はないだろう。高額な外国製部品を多用するとなると、中国製でも、それまでとは違い、それなりの価格になってしまう可能性も高い。

 同じ価格帯では、中国製潜水艦はロシア製潜水艦に勝てるとは思えない。中国の新型潜水艦の輸出価格が、ロシアのキロ級と同価格帯となると、国際市場では中国には勝ち目はない。ロシアのキロ級には自国使用や輸出の実績があり、高性能といった評価を受けている。対して、中国の潜水艦にはそれはない。同じ価格帯ならキロを選ぶことになる。

 だが、NAVINT記事も市場規模推計としては間違っているわけではない。おそらく、NAVINTが提示した国の海軍は中国製潜水艦も選択肢に入れるだろう。そのように中国製が選択肢に入った潜水艦調達の規模は、合計すれば10隻20隻にもなり、25億ドル超ともなるだろう。

 しかし、実際に中国製が売れるかどうかは別の話である。中国潜水艦は、フランス製戦闘機ラファールのようなものだ。一時期、先進・中堅国での戦闘機調達では、フランスのラファールが常に選択肢に入っていた。そのようにラファールが選択肢に含まれた戦闘機調達は、合計すると、間違いなく300億ドルは超えていただろう。だが、結局ラファールは輸出されていない。同じ性能ならSu-27を買うし、同じ価格帯ならF-35が選ばれた結果である。同じように中国潜水艦はキロ級に敗れるだろう。



※ Scott,Richard "Enter the Dragon:China's naval export drive pick up speed""Jane's Navy International" (IHS,London,2013.12)pp.26-30.
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No title

外国製品を沢山乗せてる軍艦の場合、サポートの維持が面倒になりそうですね。やろうと思えば長期メンテも不可能ではないだろうけど、偉く金がかかるものになる。

ロシアの場合は多分細々としたシステムまで内製しているのでその点でも有利かと。